ケアマネジャーがいない場合、居宅療養管理指導はどう始める?

更新日:4 日前

「うちの親には、まだケアマネジャーがついていない」——そんな状態で、居宅療養管理指導について調べている方は少なくないと思います。要介護認定を受けたばかりで担当者が決まっていない、あるいは介護保険の手続き自体をこれから進める段階、というご家庭も多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、ケアマネジャーがまだ決まっていない場合でも、一定の条件を満たせば居宅療養管理指導を利用できます。「誰に相談すればいいのかわからない」という状態のまま、お薬の管理が後回しになってしまうのは避けたいところです。今回は、制度の基本から、よくいただくご質問まで、Q&A形式でまとめてご紹介します。
Q1. 居宅療養管理指導とは、どのような制度ですか?
居宅療養管理指導は、通院が困難な方などを対象に、医師・歯科医師・薬剤師などが自宅を訪問し、療養上必要な管理や指導を行う介護保険のサービスです。
薬局の薬剤師が訪問する場合は、主に次のような支援を行います。
現在服用している薬や、飲み残しの状況を確認する
薬の飲み合わせや重複などを確認する
薬を正しく服用できているかを確認し、必要な工夫を提案する
薬の副作用が疑われる症状や、体調の変化を確認する
必要な情報を医師や介護関係者などに共有する
例えば、複数の医療機関から薬が処方されている方や、薬の種類が増えて管理が難しくなった方、飲み忘れが多くなった方などにとって、薬剤師による訪問は薬の管理を見直す機会になります。
本人だけで薬を管理することが難しい場合には、ご家族も交えて、保管方法や服用のタイミングなどを確認することがあります。
居宅療養管理指導は、薬を届けるだけのサービスではありません。患者さんの状態や生活環境を踏まえ、薬を安全に使用できるよう支援することが目的です。
Q2. 居宅療養管理指導と在宅患者訪問薬剤管理指導は、何が違うのですか?
どちらも、薬剤師が患者さんの自宅を訪問して薬学的な管理や指導を行うサービスですが、大きな違いは、適用される保険制度です。
制度名 | 主に使用する保険 | 対象となる方 |
居宅療養管理指導 | 介護保険 | 要介護認定を受けた方 |
介護予防居宅療養管理指導 | 介護保険 | 要支援1・2の方 |
在宅患者訪問薬剤管理指導 | 医療保険 | 医療保険による訪問薬剤管理指導の対象となる方 |
要介護・要支援認定を受けている方については、原則として介護保険による居宅療養管理指導などが優先されます。ただし、個々の状況に応じて確認が必要です。
「介護保険の認定を受けていないから、薬剤師に自宅へ来てもらうことはできない」とは限りません。
まだ認定を受けていない場合や、介護保険の手続き中に薬の管理で困っている場合は、主治医や薬局に相談し、利用できる制度を確認しましょう。
Q3. ケアマネジャーがいなくても、居宅療養管理指導を始められますか?
ケアマネジャーがいない場合でも、居宅療養管理指導を利用・算定できるケースはあります。
厚生労働省の算定に関する通知では、ケアマネジャーによるケアプランの作成が行われていない場合の取り扱いも示されています。
ただし、ケアマネジャーがいないことだけで、必ず利用・算定できると判断できるわけではありません。例えば、ほかの介護サービスを利用しているか、自分でケアプランを作成しているかなど、状況によって確認すべき点があります。
そのため、ケアマネジャーがまだ決まっていない場合は、まず薬局に状況を伝え、利用できる制度や必要な手続きを確認することが大切です。
まだ要介護認定を受けていない場合は?
要介護・要支援認定を受けていない方については、居宅療養管理指導ではなく、医療保険による在宅患者訪問薬剤管理指導などの対象となる場合があります。
利用できる制度は、患者さんの状態や保険の適用条件によって異なります。薬の管理に困っている場合は、認定を受けるまで何もできないと考えず、主治医や薬局に相談してみましょう。
ケアマネジャーを探している場合は?
要介護認定を受けている方で、ケアマネジャーがまだ決まっていない場合は、居宅介護支援事業所への相談も選択肢になります。
要支援1・2の方や、介護保険の利用について相談したい方は、地域包括支援センターも相談先の一つです。
千葉市では、高齢者の介護・福祉・健康・医療などについて相談できる「千葉市あんしんケアセンター」が設置されています。
参考
フジ薬局には居宅介護支援事業所が併設されており、薬剤師とケアマネジャー双方の資格を持つスタッフも在籍しています。薬の管理だけでなく、介護サービスについて相談したい場合にも、状況に応じてご案内できます。
Q4. 実際に始めるまで、どのような流れになりますか?
居宅療養管理指導を始める際の流れは、患者さんの状況や医療機関・薬局の体制によって異なりますが、一般的には次のように進みます。
① 主治医や薬局に相談する
まず、薬の管理で困っていることや、薬剤師の訪問を希望していることを主治医や薬局に伝えます。
例えば、次のような相談が考えられます。
薬の飲み忘れが増えてきた
薬の種類が多く、管理が難しい
家族が薬の管理を手伝っているが、負担が大きい
飲み合わせや副作用が心配
通院が難しく、薬の管理について自宅で相談したい
② 保険制度や訪問の条件を確認する
薬局では、介護保険と医療保険のどちらが適用されるか、訪問に必要な指示や手続きは何かなどを確認します。
介護保険による居宅療養管理指導では、医師または歯科医師の指示など、制度上の条件を満たす必要があります。
ケアマネジャーがいない場合には、ケアプランの作成状況や、ほかの介護サービスの利用状況なども踏まえて確認します。
③ 訪問日程を調整する
利用条件や必要な手続きが確認できたら、薬局と訪問日程を調整します。
初回訪問では、服用している薬の種類や服用状況、保管方法、体調の変化などを確認します。必要に応じて、お薬手帳や現在使用している薬を準備しておくと、確認がスムーズになります。
④ 訪問後、必要な情報を医師などと共有する
訪問で確認した内容は記録に残し、必要な情報を医師などに報告します。
ケアマネジャーがいる場合には、薬の管理状況や生活上の課題などについて、制度上必要な情報連携を行います。
ケアマネジャーがまだ決まっていない場合も、患者さんの状況に応じて、必要な相談先や今後の支援について検討します。
Q5. サービス担当者会議には、薬剤師も参加しますか?
必要に応じて、薬剤師がサービス担当者会議に参加し、薬の管理状況や服薬上の課題などを共有することがあります。
例えば、次のような情報が、ケアプランや支援内容を検討するうえで役立つ場合があります。
薬の飲み忘れや飲み間違いがある
薬の種類が多く、管理に時間がかかっている
薬の副作用が疑われる症状がある
服薬を続けるうえで、生活環境に課題がある
ご家族による薬の管理の負担が大きい
薬剤師からの情報は、ケアマネジャーが生活全体の課題を把握し、必要な支援を検討する際の参考になります。
なお、薬剤師がすべてのサービス担当者会議に必ず参加するというわけではありません。会議への参加が難しい場合には、原則として情報提供や助言の内容を記載した文書を交付するなど、制度上の取り扱いに沿って対応します。
Q6. 薬剤師の報告書は、どのように活用されますか?
薬剤師が訪問した際には、薬の使用状況や服薬上の課題などを記録し、必要な情報を医師などに報告します。
ケアマネジャーや関係する介護サービス事業者と情報を共有することで、薬の管理に関する課題を、日常生活の支援と結びつけて考えやすくなります。
例えば、次のような情報が連携に役立ちます。
飲み忘れや飲み間違いの状況
薬の保管方法や管理上の問題
服薬を続けるうえで必要な支援
副作用が疑われる症状や体調の変化
ご家族が薬の管理で困っていること
こうした情報を共有することで、必要に応じて服薬支援の方法を見直したり、医師に薬の調整について相談したりするきっかけになります。
薬剤師からの報告書は、単なる訪問記録ではありません。医療と介護の間で、患者さんの生活を支えるための情報をつなぐ役割があります。
Q7. 医療用麻薬を使用している方や、在宅緩和ケアでも利用できますか?
医療用麻薬を使用している方や、在宅で緩和ケアを受けている方についても、居宅療養管理指導などの訪問薬剤管理の対象となる場合があります。
ただし、利用できる制度や訪問回数などは、保険の種類、患者さんの状態、薬剤の投与方法などによって異なります。
在宅で医療用麻薬を使用する場合には、薬の保管や使用状況の確認、副作用への対応など、薬剤師が関わることがあります。また、CADD-Solis PCAなどの持続注入ポンプを使用している方についても、医師や訪問看護師などと連携し、薬剤の管理や使用状況の確認を行う場合があります。
在宅での疼痛管理では、薬の管理だけでなく、痛みの変化や副作用について医療チームで情報を共有することが重要です。
利用を検討している場合は、主治医や薬局に相談し、患者さんの状態に応じた支援方法を確認しましょう。
Q8. 費用はどのくらいかかりますか?
介護保険による居宅療養管理指導では、所得などに応じて、原則としてサービス費用の1〜3割を自己負担します。
実際の費用は、担当する職種、訪問する人数、利用回数、適用される加算などによって異なります。
また、居宅療養管理指導は、訪問介護やデイサービスなどで利用する区分支給限度基準額の管理対象外です。そのため、ほかの介護サービスの利用限度額とは別に取り扱われます。
ただし、限度額の管理対象外であっても、居宅療養管理指導自体の自己負担がなくなるわけではありません。
正確な費用については、利用する薬局などに確認してください。
制度の詳細については、厚生労働省の介護報酬に関する資料も参考になります。
Q9. どの薬局に相談すればよいですか?
薬剤師による訪問を希望する場合は、まず、在宅での薬の管理に対応している薬局に相談してみましょう。
薬局を選ぶ際には、次のような点を確認しておくと安心です。
自宅への訪問に対応しているか
薬の飲み忘れや管理方法について相談できるか
医師やケアマネジャーなどと情報共有できるか
必要な薬剤の調剤や供給に対応できるか
利用開始までの手続きや費用について説明してもらえるか
在宅医療では、患者さんの状態や処方内容が変化することもあります。そのため、薬剤師による訪問に対応しているかだけでなく、医師や看護師、介護関係者との連携についても確認しておくとよいでしょう。
フジ薬局では、在宅での薬の管理や服薬支援について相談を受け付けています。また、居宅介護支援事業所を併設しており、薬剤師とケアマネジャー双方の資格を持つスタッフも在籍しています。
薬の管理について困っている方や、介護サービスについて相談したい方は、まずは現在の状況をお聞かせください。必要な制度や相談先について、状況に応じてご案内します。
ケアマネジャーが決まっていなくても、まずは相談を
居宅療養管理指導は、ケアマネジャーがいない場合でも、一定の条件のもとで利用・算定できることがあります。ただし、ケアプランの作成状況や、ほかの介護サービスの利用状況などによって取り扱いが異なるため、個別の確認が必要です。また、まだ要介護・要支援認定を受けていない方でも、医療保険による訪問薬剤管理指導などを利用できる場合があります。
大切なのは、薬の管理で困っていることをそのままにせず、主治医や薬局などに相談することです。
フジ薬局には居宅介護支援事業所が併設されており、薬剤師とケアマネジャー双方の資格を持つスタッフも在籍しています。
「薬の管理をどうしたらよいかわからない」「ケアマネジャーがまだ決まっていない」「自宅で薬剤師に相談したいけれど、どこから始めればよいかわからない」という方も、お気軽にご相談ください。



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