子どもたちの学びの環境を守る、学校薬剤師とは
- 矢嶋壮眞

- 1 日前
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薬局の仕事というと、調剤や服薬指導を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実は薬剤師が学校の環境衛生を支える「学校薬剤師」という仕事もあります。とくに夏場は、複数の検査が重なりやすい季節です。今回は、学校薬剤師がどのような仕事をしているのかについてご紹介します。
学校薬剤師とは
学校保健安全法にもとづき、児童・生徒が安全で健康的な環境で過ごせるよう、学校の環境衛生を定期的にチェックする役割です。多くの場合、地域の薬局に勤務する薬剤師が、学校医・学校歯科医とともに委嘱を受けて活動しています。調剤や服薬指導とは異なる専門性が求められる仕事ですが、「地域の子どもたちの健康を守る」という点では、薬剤師本来の役割の延長線上にあるとも言えます。
夏に集中する主な検査項目
学校薬剤師の仕事は年間を通じて行われますが、夏場はとくに複数の検査が重なりやすい時期です。以下の3項目は、季節による変化が大きく、夏場に確認の重要性が高まります。
検査項目 | 内容 | 夏場のポイント |
プール水質検査 | 残留塩素濃度・pH・濁度・大腸菌の有無などを検査 | 気温や利用人数によって水質が変化しやすい |
教室の照度 | 黒板・机上の明るさを照度計で確認 | 日差しの強さ・西日の影響などで変動しやすい |
換気(CO2濃度) | 教室の二酸化炭素濃度を測定し基準値を確認 | エアコン使用で窓・扉を閉め切りがちになる |
プールの水質は、気温が上がり利用人数が増えるほど変化しやすく、塩素濃度が不足すると感染症やプール熱などのリスクが高まります。教室の照度は、夏の強い日差しや西日の影響で時間帯によって大きく変わるため、カーテンやブラインドの調整状況もあわせて確認します。換気については、エアコンを使う機会が増えることで窓や扉を閉め切りがちになり、特に夏場や冬などはCO2濃度が基準値を超えていないかを測定することが、快適で安全な学習環境を保つポイントになります。
そのほかの学校薬剤師の仕事
水質・照度・換気以外にも、学校薬剤師が確認する項目は多岐にわたります。
●教室の温度・湿度、騒音のチェック
●飲料水の水質検査
●机・椅子の高さなど、学習環境全般の確認
●保健室での医薬品の取り扱いについての助言
これらの項目は、児童・生徒が直接気づきにくいものも多く、専門的な視点で定期的にチェックすることが、安全な学校生活を支える土台になっています。
薬物乱用防止教室での役割
学校薬剤師は、環境衛生のチェックだけでなく、児童・生徒向けの「薬物乱用防止教室」を担当することもあります。フジ薬局でも、先日薬剤師が地域の学校で薬物乱用防止教室を実施しました。薬物乱用防止教室では、市販薬・処方薬との正しい付き合い方とあわせて、こうした誘いに対する心構えについても、身近な立場からわかりやすく伝えるよう心がけています。
薬物乱用防止教室に携わって
実は私自身も、大学時代に薬物乱用防止教室に携わった経験があります。今の子どもたちはSNSがより身近な存在になった分、知らない大人と接点を持つ機会や、「痩せる」といった効果をうたう違法薬物などにも意図せず触れてしまう機会が、以前より増えているように感じます。
薬物乱用防止教室では、違法薬物だけでなく、もっと身近にあるものへの向き合い方についても触れました。市販の風邪薬の中には鎮静作用を持つ成分が含まれるものもあり、決められた量を超えて摂取する、いわゆる「オーバードーズ」が一部の若年層で行われている現状があります。また、定期試験の時期などにカフェインを多く含む飲料を頻繁に口にする学生も見られますが、年齢や体格に見合わない過剰な摂取は、成長期の体にとって負担になることもあります。たばこやお酒といった、身近に存在するけれど健康リスクを伴うものについても、同じように話をしました。
こうした話をする中で私が大切にしたのは、「なんでもかんでもダメ」と頭ごなしに否定するのではなく、法律や健康上のリスクという事実を、大人が責任を持って伝えることでした。リスクを正しく知ったうえで、将来自分自身で判断できるようになってほしい——そんな思いで、子どもたちと一緒に考える時間を大切にすることを心がけました。薬剤師の仕事は、患者様の医療に関わることだけではありません。こうした地域とのつながりや交流を大切にすることも、薬剤師の大事な役割の一つだと感じています。
地域とのつながりを大切に
学校薬剤師としての活動は、地域の子どもたちの健康を見守る取り組みの一つでもあります。フジ薬局でも、地域の学校と連携しながら環境衛生のチェックや相談対応を行っています。薬局というと大人のためのイメージを持たれがちですが、実は子どもたちの学習環境を支える仕事にも携わっています。
検査で見つかった課題への対応
検査の結果、基準値から外れる項目が見つかった場合は、学校側に改善のポイントを伝え、対応を相談します。たとえばCO2濃度が高い場合は換気の頻度を増やす、照度が不足している場合は照明の位置や座席配置を見直すなど、すぐに実行できる改善策を一緒に考えることも、学校薬剤師の大切な役割です。数値を測って終わりではなく、実際の教室環境の改善につなげるところまでが仕事の範囲になります。
まとめ
学校薬剤師は、プールの水質検査や教室の照度・換気のチェックなど、季節ごとに変化する学校環境を見守る仕事です。とくに夏場は確認すべき項目が増える時期でもあります。フジ薬局では、こうした地域に根ざした活動にも取り組んでいます。




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