高齢者が室内でも熱中症になる理由と薬との関係
- 矢嶋壮眞

- 2 日前
- 読了時間: 5分

暑い季節になると「熱中症は炎天下の屋外で起こるもの」というイメージを持たれる方が多いのですが、実は高齢者の熱中症の多くは、エアコンのある自宅の中でも発生しています。今回は、なぜ高齢の方が室内でも熱中症になりやすいのか、そして毎日服用しているお薬がどのように関係しているのかを、薬局の視点からわかりやすくお伝えします。
室内でも熱中症になりやすい理由
加齢とともに、体に蓄えられる水分量そのものが若い頃と比べて少なくなります。加えて、暑さやのどの渇きを感じるセンサーの働きも鈍くなるため、「まだ大丈夫」と思っているうちに、気づかないうちに体内の水分が失われていることがあります。また、汗をかいて体温を下げる発汗機能や、皮膚の血管を広げて熱を逃がす働きも低下しているため、室温が高い状態が続くだけで体に熱がこもりやすくなります。「エアコンの風が苦手」「電気代が気になる」といった理由で、窓を少し開けるだけで過ごされる方も少なくありませんが、風の通り道がない部屋では、室温は思っている以上に上がってしまいます。
服用中の薬が熱中症リスクに関わることも
高齢の方が服用されているお薬の中には、体の水分バランスや体温調節の働きに影響するものがあります。たとえば、血圧を下げるお薬の一部や、体のむくみを取り除くお薬(利尿薬)は、体内の水分や塩分を排出する働きがあるため、暑い時期は脱水につながりやすくなる場合があります。また、一部の精神科のお薬や排尿に関わるお薬の中には、汗をかきにくくする作用を持つものもあり、体に熱がこもりやすくなることがあります。「今飲んでいる薬が熱中症と関係あるかもしれない」と感じても、自己判断でお薬の量を調整したり中止したりせず、まずは薬剤師や主治医にご相談ください。フジ薬局ではご自宅に訪問する際に、お薬の内容と体調の変化をあわせて確認していますので、気になる症状があればいつでもお声がけください。
熱中症を防ぐための毎日の工夫
室温はできるだけ28度を超えないよう、エアコンや扇風機を上手に組み合わせて使うことが大切です。「涼しく感じないから」という理由だけで設定温度を下げすぎるのではなく、まずは温度計・湿度計を置いて室内の状態を「見える化」する習慣をつけましょう。のどの渇きを感じにくい方は、渇きを感じる前に、時間を決めてこまめに水分をとることをおすすめします。そうめんやみそ汁、季節の野菜スープなど、食事から自然に水分と塩分を補える献立を取り入れるのも効果的です(水分や塩分の摂取について主治医から指示が出ている場合は、その指示を優先してください)。
水分補給にひと工夫を
大量に汗をかいたときや、暑さで食欲が落ちて食事から十分な水分・塩分がとれないときは、水やお茶だけでなく、経口補水液を活用するのも一つの方法です。アクアソリタのような経口補水液は、水分とあわせて必要な電解質を補える製品として、体調に応じて選択肢に加えていただけます。ただし、持病の内容やお薬の種類によっては、経口補水液の使用が向かない場合もあります。不安な場合は、購入前に薬剤師へひとことご相談いただくと安心です。
こんなサインが出たら要注意
めまい、立ちくらみ、頭痛、体のだるさ、急に汗が止まる、顔がほてるといった症状は、熱中症のサインである可能性があります。ご本人が「少し疲れているだけ」と思い込み、症状に気づきにくいこともあるため、ご家族や周囲の方が「顔色」「言動の変化」「食欲」「水分をとった量」などをこまめに気にかけてあげることも大切です。少しでも様子がおかしいと感じたら、涼しい場所へ移動し、水分と塩分を補給したうえで、必要に応じて早めに医療機関へご相談ください。
独居の方・見守りが少ない方はとくに注意
一人暮らしをされている高齢の方は、体調の変化に気づいてくれる人がそばにいないぶん、熱中症の発見が遅れやすい傾向があります。「今日は少し体がだるいな」と感じても、そのまま様子を見てしまい、気づいたときには症状が進んでいたということも少なくありません。離れて暮らすご家族は、電話やビデオ通話で「エアコンはつけている?」「今日は何か飲んだ?」と具体的に声をかけてあげることが、思っている以上に効果的です。訪問介護や訪問看護、フジ薬局のような在宅訪問サービスを利用されている場合は、定期的な訪問そのものが見守りの役割も果たしています。
室温・湿度チェックの習慣づけ
体感だけに頼らず、リビングや寝室、トイレなど、過ごす時間が長い場所に温湿度計を置いておくと、暑さへの気づきが早くなります。とくに寝ている間は自分で温度調整の判断がしにくいため、就寝時もエアコンを使い、タイマーで切れてしまわないよう工夫することをおすすめします。「夜は涼しいから大丈夫」と思われがちですが、熱帯夜が続く時期は、室内の熱がこもったまま朝を迎えてしまうこともあります。
まとめ
高齢者の熱中症は、炎天下の屋外だけでなく、住み慣れたご自宅の中でも起こり得るものです。加齢による体の変化に加え、服用中のお薬との関係を知っておくことが、早めの対策につながります。フジ薬局では在宅訪問を通じて、お薬の管理だけでなく、暑い時期の体調変化についてもあわせてサポートしています。ご不安なことがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。




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