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在宅での療養を支える薬剤師の役割 ~緩和ケアと疼痛管理~

  • 執筆者の写真: 矢嶋壮眞
    矢嶋壮眞
  • 8月4日
  • 読了時間: 6分

がんは、1981年以降40年以上にわたって日本人の死因第1位を占め続けています。生涯のうちにがんと診断される確率は男女ともにおよそ2人に1人といわれ、いまや誰にとっても身近な病気になりつつあります。がんと診断されたとき、多くの方が頭に浮かべるのが「痛み」への不安ではないでしょうか。

住み慣れたご自宅で、最期の時間をご家族とともに穏やかに過ごしたい——近年、そう望まれる方が増えています。在宅でのお看取りを支えるためには、痛みやつらい症状をやわらげる緩和ケアが欠かせません。今回は、緩和ケアにおける薬剤師の役割や、医療用麻薬による疼痛管理、フジ薬局が力を入れている取り組みについてご紹介します。


薬剤師が自宅を訪問する2つの制度

ご自宅へ薬剤師が訪問する場合、使う保険によって名称が変わります。患者さまに受けていただくサービスの内容はほぼ同じで、お薬をお届けし、服薬状況や体調の変化を確認するというものです。ご本人・ご家族にとっては、どちらの制度を使っているかよりも「薬剤師が定期的に自宅まで来て、お薬の状態を見てくれる」という点が大切なポイントになります。

制度名

使う保険

主な内容

在宅患者訪問薬剤管理指導

医療保険

医師の指示のもと、薬剤師が訪問しお薬を管理。

居宅療養管理指導

介護予防居宅療養管理指導)

介護保険

要介護(要支援)認定を受けた方が対象。内容は上記とほぼ同じ。

どちらの制度も、薬剤師が訪問した際に、残っているお薬の数や飲み忘れの有無、体調の変化、副作用の兆候などを確認します。確認した内容は記録としてまとめ、必要に応じて医師に報告し、お薬の量や種類の見直しにつなげています。ご家族が気づきにくい小さな変化を、専門的な視点で拾い上げられることも、訪問薬剤師の役割の一つです。


医療用麻薬による疼痛管理——よくある不安

痛み止めとして医療用麻薬が使われることに、不安を感じる方は少なくありません。「依存性があるのではないか」「量が増え続けるのではないか」といった心配の声もよく聞かれます。こうした不安に対しては、以下の点を知っていただくと安心です。

●      医師・薬剤師の管理のもとで正しく使用すれば、日常生活を送るための重要な選択肢になります

●      量や使い方は、痛みの程度や体調に合わせて医療者が適切に調整します

●      自己判断で中止したり量を変えたりせず、気になることがあればいつでもご相談ください

痛みを我慢し続けることは、体力の消耗や食欲低下、睡眠不足にもつながります。適切な疼痛管理によって痛みが和らぐことで、会話をしたり、好きなものを口にしたりする時間を保ちやすくなる、という側面もあります。

医療用麻薬を使用する場合、便秘や吐き気などの副作用がみられることがありますが、薬剤師が訪問し、ご本人やご家族に逐次状況を確認することができるので、医師とご本人やご家族の橋渡しとなり、適切な薬学的管理を支援することができます。


医療用麻薬に関する記事を過去に掲載しておりますので、こちらもあわせてご覧ください。



フジ薬局が幅広い医療用麻薬を備えている理由

医療用麻薬は、痛みの種類や患者様の状態に応じて、飲み薬・貼り薬・注射薬など複数の成分・剤形を使い分ける必要があります。しかし、医療用麻薬は、麻薬及び向精神薬取締法にもとづく厳重な管理(専用の金庫での保管、使用量の記録、廃棄手続きなど)が求められるため、取り扱う品目を最小限にとどめる調剤薬局も少なくありません。

フジ薬局は、在宅医療に特化しているからこそ、患者様お一人おひとりの痛みの状態やお薬の切り替えに応じられるよう、幅広い品目を計画的に在庫として確保しています。急な痛みの増悪でお薬の種類や量を変更する必要が生じた際にも、複数の選択肢の中からすぐにご用意できる体制を整えていることが、在宅での緩和ケアを支える土台になっています。


CADD-Solisによる持続的な疼痛管理

フジ薬局では、CADD-Solisという携帯型のポンプを使い、経口薬や座薬などによる疼痛管理が難しくなってしまった患者さまなどへ、痛み止めを少量ずつ持続的に注入する在宅療法にも対応しています。従来のように決まった時間ごとに注射をするのではなく、一定の速度で薬液を注入し続けることで、痛みの波を抑えながら安定した状態を保ちやすくなります。

●      1日に何度も注射をする必要がなく、体への負担を抑えられる

●      安定した状態で痛みをコントロールしやすい

●      無菌調剤にも対応し、注射薬の調製からポンプの取り扱いまで一貫してサポート

ポンプの操作方法や、アラームが鳴ったときの対応など、ご家族が不安に感じやすいポイントについても、訪問時に丁寧にご説明しており、不測の事態が起こった際にも24時間対応できるよう体制を整えております。


手厚い薬剤師体制だからできる、当日中のお届け

在宅医療を中心に取り組んでいるからこそ、フジ薬局では在籍する薬剤師の人数を手厚く配置しています。そのため、「今日中にお薬を届けてほしい」といった急なご要望にも対応できる体制を整えており、痛みが強くなったときや、訪問診療で処方内容が変わったときのお薬の変更にも、できるだけ早くお応えするよう努めています。夜間や休日に体調の変化があった場合も、まずはお電話でご相談いただければ、その日のうちの配達が可能かどうかを確認いたします。


ご家族の不安に寄り添う

在宅でのお看取りは、ご本人だけでなく、支えるご家族にとっても不安や戸惑いが大きいものです。「これでいいのだろうか」「薬の使い方はこれで合っているのか」といった疑問に対して、薬剤師が身近な相談相手として寄り添うことも、大切な役割の一つです。ご本人さまはもちろんのこと、ご家族にとってもよりよい最後の瞬間を迎えられるよう、医師や看護師、他の医療スタッフと連携し、支援させていただければと考えております。

夜間や休日に不安なことがあった場合の連絡先についても、事前にご案内しています。小さな疑問でも、遠慮せずお声がけください。


さいごに

自宅での穏やかな時間を支えるために、緩和ケアと疼痛管理は欠かせないものです。フジ薬局では、医療用麻薬やCADD-Solisによる持続注入にも対応しながら、ご本人とご家族に寄り添う在宅サポートを行っています。在宅での看取りについて不安なことがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。

 
 
 

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